愚者のエンドロール

yomimaru2005-01-27

bk1

シナリオ未完のまま脚本家が倒れてしまった自主映画の試写を見せられた古典部の面々。真の結末を探すべく乗り出す彼らだが――古典部シリーズ第2段、人が死なない青春ミステリ。
第1段である氷菓*2は、春期限定いちごタルト事件*3同様の短篇連作構成で、目の大きい千反田えるに何ごとにも面倒くさがりの主人公折木奉太郎がふりまわされて推理をする話でした。本作は、映画の制作進行役の入須冬実に踊らされ続ける長篇。普通人を自認する奉太郎は、小市民を目指す小鳩くんの裏返しなんですね。他人の芝生はあおく見えるもの。
本作、劇中劇の構成がトリックに実にうまくはまっていて感激です。晩冬〜春先に出る予定の四人四色学園祭(仮)が楽しみでなりません。