電波的な彼女〜愚か物の選択〜

yomimaru2005-03-28

bk1

世を拗ねる不良 柔沢ジュウに、前世の縁を信じ奴隷として仕えるムー系美少女 堕花雨。雨の友人斬島雪姫とともに「えぐり魔」を追うジュウに雨は――電波的な彼女達に翻弄されるジュウの情けなしストーリー。
今巻を読んでああっ女神さまっ(藤島康介)*2を思い出したのは、やはりキャラ配置が、基本的に能力は低いが、正義感とか優しさとかを持つ男(ジュウ/螢一)、彼を慕うが契約によって結ばれる極めて能力の高いヒロイン(雨/ベルダンディー)、基本的に男というものが嫌いなヒロインの姉的存在(円/ウルド)、ヒロインをとられたと思って最初は反発するが次第に男と仲良くなる妹的存在(雪姫/スクルド)のように、対応がとれるからでしょう。女の子達の方が圧倒的に能力が高くて、男が基本的に情けなくて、事態の解決にも役立たないというのも一緒。
ジュウが自らの能力の低さと自身のプライドとのギャップに苛々するところが、良く表現されています。
雨や雪姫の行動がさほど電波的に感じられないのは、アニメ、ゲーム、漫画、小説と、エキセントリックなヒロインに慣れてしまったからか、それとも、彼女達の勝手な思い込み的行動が、結果的にすべてジュウにとってプラスになっているからか。
その意味では、主人公和樹を自分論理で彼のためを思って軟禁してしまうまぶらほ〜もっとメイドの巻〜(築地俊彦)*3のリーラの方が電波的かも。