日曜の夜は出たくない

日曜の夜は出たくない (創元推理文庫―現代日本推理小説)

三十路を過ぎてもフリーター生活を楽しむ見た目年齢不詳の猫丸先輩は、今日もそこかしこで謎を解く。自由気ままで飄々としたその姿は、理想の風来坊か――自然体探偵短篇集のデビュー作。
幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート(倉知淳)*2を偶々読んで、本書掲載の「一六三人の目撃者」の舞台(LED/シアター・ブラッツ)を思い出し、再読。163人の観客を迎えた舞台上での殺人事件を劇中劇中劇化したもので、リプレイする場面が楽しい演劇でした。
幻獣遁走曲はご町内バラエティミステリーなんですが、本書は殺人事件中心の短篇集。殺伐した印象を受けないのは、アルバイト生活を存分に楽しんでいる自由人 猫丸先輩の性格によるものでしょう。三十代ならまだこんな暮らしでも良いのかもしれません。