よくわかる現代魔法 TMTOWTDI たったひとつじゃない冴えたやりかた
郵便受けで発見した血まみれのアミュレットに込められたメッセージに悩む嘉穂。「美鎖を殺してしまいました」と弓子に言われた聡史郎は、手がかりを求めて秋葉原に向かう。こよみたちに明かされる冴えたやりかたとは――美鎖と弓子の対決で終わった前巻*2に続く魔女のライブラリ篇、堂々の完結。
各巻ごとに登場人物の一人をメインに持ってきているこのシリーズですが、本作の冒頭は美鎖の〈最終兵器〉である聡史郎の子供時代。これもまた重要な鍵になっている構造は、相変わらず緻密。
今巻では「四人目の魔法使い」としてその実力を遺憾なく発揮する嘉穂、寝るときも一味違い、着ぐるみパジャマで外に平気で出ちゃうところもキュートです。おでん缶は冬より晩春、激しく同意。
たったひとつの冴えたやりかた(ティプトリー)*3と、プログラミング言語perlのスローガン TMTOWTDI / There's More Than One Way To Do It. の、二つに意味をかけるいつもの手法、今回も絶妙に効いています。
聖地秋葉原を舞台に、知恵と勇気とたらいが紡ぐ友情のジャンプ系王道物語。第1巻*4冒頭「あなたも魔法使いに！」から綿々と張られた伏線を見事にこよみに収束させた本作、絶対のお薦め。
- 追記
- 嘉穂の着ぐるみはカエルじゃなくてクマでした。そうか、serial experiments lain *5 *6だ！ さすが嘉穂たん、ワイヤードの住人。(2005/05/26)
- 追記
- 帯には桜庭一樹からの応援メッセージが掲載されています。もしかしてこれ、みごろ！たべごろ！ 笑いごろ！！の電線音頭ネタですか？(2005/05/27)
