平井骸惚此中ニ有リ 其四

著:田代裕彦 画:睦月ムンク 富士見ミステリー文庫*1

骸惚先生と澄夫人の留守を守ることになった河上くんと涼嬢、潑子嬢の三人だが、突然の大地震に襲われ避難所生活に。どこに逃げても安全とは言えない生活の中、殺人事件が――大正LOVE寄せ探偵譚。
骸惚不在で河上が大活躍、彼が少しずつ成長している様子がうかがえます。朴念仁で激ニブの彼と姉妹との関係も、今巻で新しい展開が。
今巻では涼が風邪をひいているため、潑子が河上と一緒に行動することになりますが、これが事件とも大きく絡んでいて、彼女の魅力が十分に引き出されています。
河上に甘い潑子に涼が告げるおんなの生き方論も秀逸だし、意地っ張りな涼が弱って甘える姿も見事。安心して楽しめるシリーズです。

*1:ISBN:4829163097 blogmap MM bk1 junku amazon