裏山の宇宙船

yomimaru2005-06-28

bk1

存亡の危機を迎える民族伝承研究会の会長 文子の家の裏山が大雨で崩れ、黒光りする巨大な物体が。色めき立つ(?)会員たちは、発掘作業にとりかかる。町に伝わる天人伝説との関係は――1994年発行文庫の再刊。
サマー/タイム/トラベラー(新城カズマ)*2が地方都市モノとするならば、本作は田舎モノ。ゆったりとした時間の流れと、小賢しさのない純な登場人物たちの言動に心が癒やされます。
所は田舎ですが、時は昭和末期の雰囲気。ミステリーだと科学捜査のない時代を舞台に選ぶことがありますが、SFでもそれって有効な手法なのかもしれません。
豊かな胸よ! ケモノミミよ! の放電映像もひとつ望みをかなえてくれました。
文子にどやされる昇介を主人公として読んでいたので、少年らしい未知の世界への憧れに、懐かしさでじんとしたり。