丹下左膳 乾雲坤竜の巻

丹下左膳(一) 乾雲坤竜の巻 (光文社文庫)
著:林不忘 画:志村立美 光文社文庫*1

独眼隻腕の怪剣士丹下左膳が手に入れた乾雲丸と神変夢想流の俊才諏訪栄三郎の手に渡った坤竜丸は、互いに呼び合い血の雨を降らせる妖刀。乾雲丸に引かれて辻斬りを繰り返す左膳は――
今巻の左膳は、涙脆くて人情溢れる豊悦左膳*2とは違って、暗い恋情に打ち震え、ただひたすらに人を斬るアンチ・ヒーロー。予想していた内容と全然違うので驚きました。
決闘シーンの剣戟のリズム感溢れる描写に、パンチとキャンセルの乱れ飛ぶスラムオンライン(桜坂洋)*3の格闘描写との共通性を感じたのは、両方とも私には出来ない対決術だからかもしれません。