小説すばる2005年8月号

夢枕獏新作落語特集を読むつもりで買ったんですが、夏のホラー特集には今回の直木賞(候補)作家が結構入っていて、ちょっと得した気分。
友人に薦められた伊坂幸太郎、ちょうど良く「演劇のオール」が載ってました。小惑星が地球に衝突するとわかってから5年。役者を諦めて帰郷したわたしは、終末世界で今日も、早乙女さんの孫、亜美ちゃんの姉を演じる――
ひとめあなたに…(新井素子) *2では隕石衝突まで1週間しかありませんが、本作ではまだあと3年も残っています。荒れるだけ荒れた後に戻ってきた穏やかな日々。家族計画*3の設定で、終末の過ごし方*4のラジオ放送やCROSS†CHANNEL*5の各話前半の匂い漂う世界で、気に入りました。
ホラー特集では、ひとまず双子の入れ替えを描く「ザッピング・ゲーム」(我孫子武丸)を。よみきり♥もの(竹本泉) *6の美夏と真夏姉妹「おんなじかんじ」から始まって、半身(萩尾望都) *7に一捻り。
まだ読み切ってませんが、読切り短篇がいっぱい載ってる雑誌って、ちょっとした時間に読むことができて、結構いい。寝る前やトイレに最適かも。