BLACK BLOOD BROTHERS (S) 1 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集―

yomimaru2005-07-22

bk1

世間知らずの吸血鬼兄弟コタロウ・ジローの面倒を見ることになった調停員ミミコは、頼りにならない彼らを身辺警護に、今日も人と吸血鬼の調停に走る――新感覚吸血鬼労働コメディ短篇集。
見た目は若いにもかかわらず、まるっきり機械オンチのジローが突然光ったり音を出す電子機器を壊しまくるのはある種爽快。クロコダイル・ダンディー*2的なカルチャーギャップの楽しさがあります。
注意力散慢で食欲に勝てないコタロウと一緒にミミコに怒鳴り付けられる日々を見ていると、駄目であると決め付けられ、頭から叱られるという初めての経験に、新鮮なカイカ……を見つけたのではないか、と思います。釣りバカ日誌(やまさき十三・北見けんいち)*3のスーさんみたいなもので、ずっと崇め奉られていると疲れるもの。
雀の涙の残業手当を塵積もで山にするのが楽しいミミコ、そのとき翼は舞い降りた(高殿円)*4フランチェスカのケチっぷりに通じるところがありますが、吸血鬼兄弟に対する甘いところを見ると、彼女は商売人よりも調停員の方が合っているような気がしますね。