疾走! 千マイル急行 (上)(下)

yomimaru2005-10-08

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4人の少年少女をのせた鉄道技術立国エイヴァリーの超豪華蒸気信大列車TMEは、侵略された祖国を背にひたすら走る。友好国に辿り着いた彼らに明かされるエイヴァリーの真実とは――千マイル急行とともに進む正統派ジュブナイル
上巻冒頭は、銀河鉄道999(松本零士) *2の人間を狩る機械伯爵や密航者を宇宙に投げ捨てる車掌を思い出したりしましたが、その後の展開がまさに疾走状態。萩尾望都*3というよりは、NHK少年ドラマシリーズ版の 11人いる! に近い終わり方の上巻に対し、下巻は期待通りの拳の友情。
もっとも「正統派」と感じた最大の理由は、子供が新たな道を求めて結束して動き出し、その熱意と努力と働きかけに大人達が絆されていく展開です。子供だけで話が完結するのでもなく、敵か味方かはっきりわかる大人だけでもない、こういう話の進み方が、何故か懐しい。
どこか疲れた雰囲気が大人に漂っているのが、良いのかもしれません。