人身御供論

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大塚英志曰く〈虚構〉は〈山〉や〈都市〉にはならない。〈虚構〉の世界の巨大迷宮にバトルアックスで人を殺した少女には向かない職業(桜庭一樹) *1の大西葵が失敗したのはそのため――との興味深い分析(d:id:giolum:20051007)を読んだので、脊髄反射的に反応。
スラムオンライン(桜坂洋) *2では、バーサスタウンの住人テツオから見れば新宿が「外部」、新宿の住人悦郎から見ればバーサスタウンが「外部」です。描写の上では新宿の方がファンタジー世界っぽい〈虚構〉だけど、そもそもバーサスタウンは〈虚構〉の世界。
2つの世界を行き来している間に、テツオはジャックを「殺して」自分との勝負に勝ち、悦郎は新宿での暮らしを得て、ゲームセンターが2つの世界を結ぶ港になりました。とすると「居場所ではなく移動に意味があるのでは」との分析は、スラム〜にも当てはまるのかも。
ひとまず〈虚構〉を知るために、人身御供論―通過儀礼としての殺人(大塚英志) *3を読んでみよう。

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