ガイユの書 薔薇の灰に祈りを

yomimaru2005-11-03

bk1

村外れの旅籠に身を寄せる少女ポーシャ。彼女にそっくりのナーシアの絵姿を持つ学生マイとの出会いから、ポーシャの運命は大きく変わっていく――灰かぶりとして蘇える不死者を描く伝奇ロマネスク。
ポーの一族(萩尾望都) *2では、愛の名の下に、人間が不老長寿の吸血鬼一族に加わりますが、本作では、魔術主の一方的な愛の下、死者が「灰かぶり」としてよみがえり、しかも灰かぶりは死ぬことがないところが、徹底しています。
魔術主に愛されることがなくなった不死の愛の奴隷の存在意義という重いテーマを投げかけたところで、本巻は終わり。魔術主ルギ・ガイユの真意が気になります。