泣き虫弱虫諸葛孔明
気宇壮大にして屁理屈なら宇宙一、小細工を弄して名を売る諸葛孔明の実像と虚像に迫る、酒見版三国志。
この作者では、小気味良いアイディアで籠城する墨攻*2が好きなんですが、本作は、うってかわって、歴史エッセイ風。各種の三国志の記述にツッコミまくりの筆舌が爽快です。
特に、欧米人がどのように三国志をとらえているかをRomance of Three Kingdomsをめくって語る「孔明、三顧に臨み、隆中、歌劇場と化す」が最高。「Hey, kill those fellows! Exterminate Yellow Turbans! (奴らを吊るせ! 黄巾賊を血祭りに上げろ!)」なんてのを見ると、白モノファンタジーと西部劇を混ぜたような不思議な世界が広がります。
新しい孔明像を求めている方、諸葛孔明対卑弥呼(町井登志夫) *3が好きな方なら絶対お薦め。
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