桃源の薬

yomimaru2005-11-12

bk1
著:山本瑤 画:香坂ゆう 集英社コバルト文庫*1

好きな相手の心を奪う媚薬を求めて魑魅魍魎が跋扈する白翼山を登る凛花の目の前に、あのときと同じ姿の少年方士が現れた。凛花の本当の目的は――中華風幻想ラブファンタジー
名門の妾腹で貧しいままに田舎で育った凛花。生活力溢れる彼女の行動が微笑ましいばかりの逞しい系ヒロイン。
それにひきかえ、魔物や妖獣相手に暮らす謎の少年インシェンの繊細さといったら!他人から見れば「どーでもいーこと」を隠したくて、でもその「どーでもいーこと」を認めてもらいたい、大人びて見せたい美少年のぐるぐる感が見どころかも。
地名や人名、魔物や妖獣の名前は、難しめの漢字を使った堅い単語なんですが、食べ物のシーンになると俄然身近なメニューが並びます。このギャップ、イェンシェンと凛花の生き方の差に重ね合わせになっているよう。
他人とうまくつき合うことができない内気なニートの部屋に突然美少女が押しかけてきて居すわり――落ちモノストーリーをヒロイン側から見た感じの本作、お薦め。