凍りのくじら

yomimaru2005-11-15

bk1

「SFとはSukoshi Fushigi(少し不思議)」を基にしたSとFの言葉遊びに耽る読書家女子高生理帆子が、司法浪人中の元彼につけたレッテルは、Sukoshi Fuhai(少し、腐敗)――七月の図書館で出会った優しい彼と過ごす夏を描くメフィスト賞受賞作家第3弾。
毒のある理帆子の性格は、空飛ぶ馬(北村薫) *2の《わたし》や涼宮ハルヒシリーズ(谷川流) *3長門といった「読書好きの女の子」に対する幻想を打ち砕く、《リアル》な造形。私も本読みな方だとは思っているのですが、こういう《悪意》は、自分の中にも確かに存在するような気がします。
デビュー作から引き続くモチーフは、今作に至ってさらに洗練度を増したような気がします。第1作は3冊組*4 *5 *6、第2作は2冊組*7 *8、第3作は1冊ときたら、次回作は一体?

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