トリックスターズL

yomimaru2005-11-14

bk1
著:久住四季 画:甘塩コメコ 電撃文庫*1

魔術実験に参加すべく〈六番目の魔術師〉と大学附属研究所に向かった周と凛々子。車椅子の〈五番目の魔術師〉が地下の密室で取り行う実験の真実とは――ミステリーを模った魔術師の物語第2弾。
主人公周の一人称の語り口といい、冴奈先生の「超断定」推理といい、読者に対するミスリードと真相に対する示唆が両方ともふんだんに満載されていて、真相に到達したときの爽快な騙され感といったら! 確かに富士見ミステリー文庫よりもミステリしているかもしれません。
サスケ(白土三平) *2でも似たネタがある珍推理、子供の頃にアニメで見て実際に実験して失敗したのを思い出しました。
外界から隔絶された「嵐の山荘」で起きる殺人事件、このレーベルでフーダニット、ホワイダニットハウダニット論議にめぐりあうとは予想していませんでした。この議論自体がコンゲーム的な物語にうまくマッチしています。お薦め。