ファウスト Vol.6 SIDE-A

yomimaru2005-12-01

bk1

総力特集“新伝綺”リプライズ!!は、ドクター秩父山(田中圭一) *2によるビッグマックの形容がふさわしいぶ厚さ。
美少女ゲームシナリオライター出身の錦メガネ「コンバージョン・ブルー」では、連続自殺に絡むクスリ〈ブルコ〉を軸にひねた中学生智己と“極限の孤独”を描いています。同じクスリでも生の謳歌に向かうDクラッカーズ(あざの耕平) *3とは逆に死体の境地を指向しているところがちょっとロボトミーっぽい。
新本格魔法少女りすか「部外者以外立入禁止!!」(西尾維新)では、前話の窮地はまだ甘い、創貴、りすか、ツナギの3人がさらに深い絶体絶命の窮地に。駒であるはずのりすかの言葉に動かされる創貴、主客転倒がまた進んで、オトコノコがオンナノコに絡め取られていくところ、いいですね。
東浩紀の評論「動物化するポストモダン・2〈補遺〉ゲーム的リアリズムの誕生」では、海外でも紹介したAll You Need Is Kill(桜坂洋) *4を評して、大塚英志がキャラクター小説の作り方*5で問うた「キャラクターに血を流させることの意味を小説がいかに回復できるのか」の一つの解答である、といっています。複数のストーリーの許容、プレイヤー・レベルとキャラクター・レベルの二重構造の導入と、リアル・フィクション論にも繋がりそう。そういえば、文学フリマで買ったNatural Color Majestic-12でもAYNIKに触れている評論がたくさんあって驚いた。