殺×愛 1 ―きるらぶ ONE―

yomimaru2005-12-05

bk1

僕のせいで街が壊れ、人が死に、それでも僕はこの学校を卒業するために生き続ける。たとえ何人の女の子を泣かせても――絶対に叶わないはずの恋を語る、究極のピュア・ラブストーリー。
まったく違う話を無理矢理つぎはぎにしたような、フランケンシュタイン*2的不安定感が、主人公椎堂密自身の壊れ具合によくマッチ。病的な終末世界に暮らす人々の狂気も見え隠れします。
密を巡る女の子たちの想いを描く挿話はどれも、前半のほのぼの加減と後半のキレ加減のギャップがあって、脳のどこかを蟲が動いているような感じがします。密の甘ったれた口調にもちょっと腐臭がして、発酵系珍味同様、好きな人にはたまらない味でしょう。
個人的には嗜血症の女子ハッカーがイチオシ。
ひとめあなたに…(新井素子) *3のチャイニーズスープすら健全に見える程の、爛熟したどろどろ感を味わいたいなら是非。