ニライカナイをさがして
空港のコーヒーショップで沖縄旅行のポスターをくさした僕の隣の席で、わなわなと震え出した女の子はモデルの梨花。彼女に拉致されて沖縄に向かうことになった僕は――秘密を抱えた二人の逃避恋物語。
題名を見たときには、マッドメン(諸星大二郎) *2かヤマタイカ(星野之宣) *3のような島国起源系、貝殻の首輪と隈取りをした浅黒い美人の女の子が男の子を連れ去る話かな、と期待して読み始めたんですが。
読み始めると、冬のディーン夏のナタリー(氷室冴子) *4 *5 *6系の話でした。
本作のタクローは、言うべきことも言いたいことも言わない振り回され性格。その意味で、嘘から始まった恋、男の子の嘘のせいで素直になれない女の子、ああイライラの話である冬の〜とは見どころが違いますね。
ガジェット「FI」を出してちょっとSF風味を出してますが、二人の秘密はもっと普通なやるドラ*7風の方が好みだったかも。
