ライトノベル初夢予想

今年はどんな年になるのか、こんな感じで見守って行きたいと思っています。

新規レーベル・歴戦レーベルと新人の動向

多数予定されている新規参入レーベル。蒼い果実が弾ける感性の新人、無難なストーリーをそつなくまとめるライター、代表作を持つ円熟のベテランをどう配合して揃えるかが、編集部の腕の見せどころですね。新人・ライター中心のレーベルとベテラン中心のレーベルにくっきり分かれるんじゃないでしょうか。
多数の新人の登場が必然となる今年は、新人賞に対する読者の信頼度が大きく変わる年でもあると思います。店頭での平積の本の減り具合を見ていると、出版社が宣伝に力を入れる受賞作だからといって必ずしも売行が良いとは限らず、かえって受賞を逃した作品の方が人気が出ている印象を受けることがままありました。その傾向が強まるのか、審査員が原石鑑定の底力を見せるのか、注目です。

新しい読者との出会い、同人活動とジャンル越境

新人、ベテランを問わず、昨年はブログで近況報告や新刊予告をする作家が増えました。今年は、作品そのものを世に出す場として、文学フリマコミケに参加する作家が多数出現する予感。W桜のような旋風が巻き起こるのか。読者に直接相対する同人活動作家自身の評価にうまく結び付けられるか、が勝負ですね。
新人に追いあげられる先行陣営からは、昨年に引き続きライトノベルのボーダーを越える作家がまた出てくるはずです。残念ながらリアル・フィクションの早川からは、予告されたまま発行されていない本が多数あります。
こんな状況を見ると、ミステリ・フロンティアの創元経由でボーダーを越える作家が現れるような気がします。また、野性時代小説新潮の他にどの文芸誌が積極的に動くのか も追いかけていきたいと思います。
一般文芸へのもう一つのルートの中継点である新書・ノベルズでは、表紙装丁のライトノベル化がますます進むんじゃないかと。トラベルミステリー以外は全部そうなったりして。十津川警部は無理としても、浅見光彦ラノベ風になるのはアリかもしれません。

ライトノベルの秩序と混沌

ライトノベルならではの特徴は、権威に頼らずに読みたいものを読者自身が選ぶところにあると感じています。
大賞受賞者の大型新人を求めたり 特定の層だけにアピールする作品を推したり といった《秩序》よりも、どこから何が出てくるかわからないびっくり箱のような《混沌》の中から自分自身で何かを見つけ続けようとするパワーこそが、内外から求められているものなんじゃないかな、と思います。