白夜行

yomimaru2006-01-04

bk1

殺された質屋の息子 亮司と殺人の容疑者の娘 雪穂の瞳に宿る暗さは、彼らの周りで蠢く犯罪の証なのか――心を失った人間の悲劇の精緻な叙事詩
当初は、六韜三略*2めいた謀略にピカレスクロマン的な快感を感じたんですが、読後は、理由(宮部みゆき) *3に似た沈鬱な気持ちに襲われました。解説の馳星周によれば、こういうのを「ノワール」と呼ぶらしい。
昭和末期からバブルにかけての懐しの風俗に彩られた数々の事件の描き方に、どこか、 フォレスト・ガンプ 一期一会*4や 白昼の死角(高木彬光) *5との共通性を感じます。白昼の〜に惹かれた私より大人の世代の気分ってこういう感じだったのか。
2ちゃんねるとかブログとかはてなとかが登場するクライムノベルが、懐かし時代系として十年後ぐらいに出たときには、自分がどんな感想を抱くんだろう、なんてことを考えさせられました。

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