悪女について
美貌の女実業家富小路公子の生前の姿を語る27人の知人の話。自殺か、他殺か、虚飾の女王の真の姿とは――豪奢に悪を愉しんだ女の一生を綴る藪の中(芥川龍之介) *2モノ。
けものみち(松本清張) *3 *4のドラマ化もあって、ピカレスクロマン気運が高まっての読書。時代的には、白昼の死角(高木彬光) *5と白夜行(東野圭吾) *6でしょうか。
もっとも、物語展開の雰囲気は、プリズム(貫井徳郎) *7に似ていて、公子の二面性がより一層引き立つ形になっています。その点で、真相が次第に判明していく理由(宮部みゆき) *8とは違った興奮が得られます。
味方にとっては天使、敵にとっては悪魔、どちらが原因でどちらが結果なのかわかりませんが、公子の徹底した姿が圧巻。お勧め。
><
*1:ISBN:4101132194 blogmap MM bk1 junku ac amazon
*2:ISBN:4003107020 blogmap MM bk1 junku ac amazon
*3:ISBN:4101109699 blogmap MM bk1 junku ac amazon
*4:ISBN:4101109702 blogmap MM bk1 junku ac amazon
*5:ISBN:4334739261 blogmap MM bk1 junku ac amazon
*6:ISBN:4087474399 blogmap MM bk1 junku ac amazon