Add 機械の息子

yomimaru2006-02-25

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機械を息子として愛した大富豪の老婆、情に流されないはずの無機人と人間の情感溢れる駆け落ち、無機人と人間との軋轢――メタルコーティッド・ゴシック短篇集。
マンガ百の法則にその人生を捧げる主人公コウですが、とりあげられているテーマの根本は、鉄腕アトム(手塚治虫) *2と符合しています。
二つの人格が統合されないまま同居するおそろしくて言えない(桑田乃梨子) *3 *4的展開だった頃のアイとリンのストーリーが中心。とすると、本篇の人格分離、人格転移の技術は、御堂の荒技 霊体の掴み取りか。
でも、肉体が一切ない無機人もヒトと認めるメタルコーティッドな世界では、「魂があるから人間」なのではなくて「人間のように振舞うから魂がある」。
殺人機械だったアイがヒトとしての生活に次第に慣れていく様子を見ていると、彼女はある意味で幸せなプルートゥなのかも、と感じます。

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