〈骨牌使い〉の鏡 I

yomimaru2006-03-20

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同業者ダーマットに因縁をつけられたことに始まる占い師アトリの急転直下の運命。流れ者ロナーに奪われた骨牌は手癖の悪いドリリスに取り返してもらったものの異形の者に襲われ――日本ハイ・ファンタジーの金字塔文庫化第1弾。
シリーズものって、文庫でない場合は特に、一旦切っ掛けを逸するとなかなか手が出せなくなるものなので、この文庫化は嬉しい限り。
単行本は6年前に刊行とのことですが、本人がそれと気付いていない貴種流離譚で、なおかつ、巻き込まれ型のストーリー展開、基本中の基本ですね。ここのところ生活力溢れるたくましい女の子の本ばかり読んでいたような気がするので、アトリのような一芸には秀でているものの廻りの引き立てが必須、というような境遇は、逆に新鮮に感じました。
生活の上でのしたたかさ、という点で、ドリリスが気に入りました。

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