レディ・ガンナーと二人の皇子

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跡継選出に揺れるエルディア王国。異種人種四人組の一人 ヴィンスが拉致される一方で、彼らの友人の無形種キャサリンは王国の風習に素朴な怒りを――今日も彼女の銃がうなる、大陰謀活劇。
読まないまま巻が進んでしまったシリーズを読み始めるきっかけは難しいものですが、切りの良いところまでやっと出て、最初の巻からまとめて読むことができました。

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トラブルに引き寄せられるキャサリンの姿には、「ひねた主人公」が跳梁跋扈していない時代の熱血正義の味方の匂いが。もっとも14歳の女の子のせいもあり、最終的には「大人の解決」が結構あったりして、熱苦しさや押しつけがましさが強くないところがいいですね。このあたりが、BLACK BLOOD BROTHERS(あざの耕平)*4のミミコにも共通する《正義》と《熱さ》に感じます。
今までの巻では、父や王や長が優秀でカリスマが高く、彼らに同調するキャサリンの価値観が揺れることはなかったのですが、たとえば、王政の矛盾を見た彼女がどう動くのか、見てみたいような気がします。お勧め。

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