そして今はだれも

yomimaru2006-04-06

bk1
著:青井夏海 画:古村耀子 双葉社*1

やっと就職できた高校で、名門女子高から共学化されたがための劣等男子クラスの担任を受け持つ笑子。男女の交流が殆どない校風の中で、同好会の顧問を頼まれた彼女は、相次いで自主退学する女子生徒達の話を聞き――ほろ苦いニュータイプ青春ミステリー。
恩師の息子にして、彼女に思いを寄せていることが見え見えのシンちゃんに対する笑子の態度が実にリアル。好きには決してなれないけどそれなりに役に立つ男を都合良く使ってしまう女性心理の恐しさよ。
そんな笑子の推理は、名探偵不在のミステリーで狂言回しの助手がへとへとになりながら結末に辿りついた、という感じ。
異彩を放つ一樹と笑子の関係、全然色っぽい方向には行きませんが、どこか天使のベースボール(野村美月) *2と共通するものがあります。男子高校生と若手女教師の関係を女性が描くとこうなるのかな?

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