トリックスターズD

yomimaru2006-04-10

bk1
著:久住四季 画:甘塩コメコ 電撃文庫*1

ぼく 周と凛々子ちゃんが活躍する2つの小説トリックスターズ*2トリックスターズL*3を書いたいみなちゃんは推理小説研究会の会員。大学祭では続篇が――魔道師の物語、第3弾。
シリーズ前2作が劇中でも小説として取り上げられる構成が絶妙。研究会の面々が「ミステリとしてどうか」と貶すシーンが妙にはまっていて、容疑者Xの献身(東野圭吾)*4本格論議を思い出したり。
学校内の閉鎖空間に閉じ込められ、一人一人と――の設定は、冷たい校舎の時は止まる(辻村深月) *5 *6 *7とも共通するモチーフですが、《ぼく》の語り口が軽いこともあって、トラウマ解決系というよりは、絡み合った憑き物が落ちるような印象を受けます。
女の子である周の設定が、2巻、今巻と効いています。今巻は物語内物語内物語内……なだけに、より一層の酩酊感。次巻も楽しみです。お勧め。

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