さよならの代わりに

yomimaru2006-06-09

bk1
著:貫井徳郎 幻冬社ノベルス*1

所属する劇団のファンを自称する美少女 祐里に、公演中に看板女優 の控え室を見張るように頼まれたぼく 和希は、御人好しにもその願いを聞いて――時を超えて錯綜する謎に迫る青春ミステリ。
プロローグが「2年後」で、冒頭からタイムパラドックスへの言及があるくらいなので、タイムトラベルものであることはすぐにわかりますが、夏への扉(ハインライン) *2のリッキィ程度の和希の時間旅行感覚が、今となってはちょっと新鮮。
祐里の印象が日によって大きく変わるところは、ちょっと 飛ぶ夢をしばらく見ない(山田太一) *3風というか、大きいみくると小さいみくる(谷川流) *4風というか、クロノス・ジョウンターの伝説(梶尾真治) *5風というか。
未来からやって来たと主張する異人に対する登場人物の姿勢も含め、時間旅行部分の展開は王道中の王道。いざというときに困るから、ドラえもん(藤子・F・不二雄) *6は復習しておこう。
一旦「いい人」モードになっちゃうと、日常生活の中で逆転するのはやっぱり難しいな、と、ひしひしと感じました。

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