銃とチョコレート
金満家から金品を盗み【GODIVA】カードを残す怪盗ゴディバ。彼を追う探偵ロイズに憧れる移民系の少年リンツは、父の遺した聖書の秘密に気付き――子供の頃 図書館で借りた江戸川乱歩全集の匂い漂う競作全集第10回配本。
各種デパートの北海道展に必ず出展する北海道のロイズ*2が名探偵、銀座の喫茶ではチョコレート単品よりもチョコパフェの方が安く感じるお値段のピエールマルコリーニ*3が新聞記者と、チョコ縛りの登場人物、それなりに見知った名前が出てくると不思議に嬉しいですね。
話の展開は決して甘くない。純潔の誇りを持つ没落貴族ドュバイヨル、単なる乱暴者の苛めっ子に納まらない年齢に見合わない振舞いは、狼の紋章(平井和正) *4の羽黒に近いかも。リンツとの緊張感がいいです。
チョコそのものへの思い入れがあると一層楽しい作品かもしれません。
