風に舞いあがるビニールシート
客からのクレーム対応で取引先の若い営業と一緒に一路高速を進む健一は、携帯電話で彼が交わす私用の話題が次第に気になって――「ジェネレーションX」を含む6篇の物語。
涙線に狙いを澄ました弾丸のような表題作「風に舞いあがるビニールシート」もいいんですが、個人的には「ジェネレーションX」と、レポートの完璧な代筆をやってくれるニシナミユキと彼女に作業を依頼しようとする祐介の対話を描く「守護神」が気に入りました。こんな短篇なのに、キャラクターの第一印象が劇的に変わっていくところ、ある種の憑き物落とし系といえるかもしれません。
悪魔のミカタ グレイテストオリオン(うえお久光) *2でセコンドをやるボクシング部部長の心境の激変、そして対立する2人の和解、の爽快感を感じたい方には、この2篇はお勧めかも。
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