プリンセスはお年頃! 1

yomimaru2006-07-14

bk1
著:榊一郎 画:深山和香 HJ文庫*1

尖り耳、尻尾、薄褐色の肌、紫の瞳の拾われっ子の王女ナナは、本来の《種族》とは裏腹の潔癖症。婿探しの旅に出た彼女に、暗殺者の影が――同人作品プリンセス・サキュバスの改稿版。
ゴールドベルク変奏曲(五代ゆう) *2も含め、デビュー当初の初々しい作品発掘に余念がない同レーベル。本作は8年前の作品とのことで、ナナの種族が種族であるにもかかわらず、お色気描写が殆どないのに時代を感じます。同じ趣向のご愁傷さま二ノ宮くん(鈴木大輔) *3と比べると、その差は歴然。
観客を楽しませようとする哲学を追求した国王バルテリクとナナのかけあいは、名誉を越えた闘い―封仙娘々追宝録(ろくごまるに) *4にも似た雰囲気で楽しい。
ナナの《種族》とこの世界との関わりが明らかになる次巻以降で、官能的な描写が出てくるのか、それともさらりとかわすのか、レーベルの傾向を見守る意味でも興味津々です。

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