リレキショ
弟と暮らすのが夢だった“姉さん”に拾われて“半沢良”になった僕。アルバイト応募の履歴書に飽き足らずに書いたリレキショは、奇天烈な出会いを経て――深夜のガソリンスタンドが都会を照らす青春ファンタジー、第39回文藝賞受賞作。
夫同士が連れ合いに隠れて交わした約束で、夫婦二組が離婚の危機に――の 夏休み(中村航) *2が面白かったので手にとった本作。
色のない“僕”が次第次第に属性を付与されて、新たな“僕”に変化していく様子は、シリーズ小説で巻が進むにつれキャラが固まっていく現象に似ていますが、当初の“僕”が「何にでもなれる」状態であるせいか、容易に“僕”に同化できるのが不思議な感じ。
もてるもてないの秘密、買物担当か自宅待機かの鍔競合、香ばしいホット麦茶、いい匂いの梅のへた取りと、すっと心に馴染むシーンが印象的。お勧め。
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