センティメンタル・ブルー

yomimaru2006-08-23

bk1

暗闇・閉所・対人恐怖症だった11歳の蒼が初めて自ら係わりを持った女性には、ブルーと名付けられた犬にまつわる秘密が――建築探偵シリーズ番外編の短篇集。
助手の役割は探偵を引き立てることにある、とは、夢の涯(ろくごまるに)*2の導果筆の言葉ですが、シリーズでは助手役の蒼は、本作では探偵役。状況を自然に読者に説明する契機となる役割を果たす、「ものわかりの悪い愚者」役は、蒼の友人に振られています。
演技する私を描く連作「ダイイングメッセージ《Y》」「センティメンタルブルー」の中の演劇は、実際に上演されるものに参加してみたい。
蒼があんまりにもいい子に育っていて、彩雲国シリーズ(雪乃紗衣) *3にもちょっと似た、作者の登場人物に対する愛を感じたり。

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