シュガーな俺

yomimaru2006-12-07

bk1

泥酔すれども最終電車は逃さずの暮らしを続けていたら、もともと太ってないのに何故か突然痩せ始め、診断の結果は糖尿病――糖尿病予備軍に送るオートフィクション。
本人や家族が書いた闘病モノって、状況にどっぷり漬かった人が作者なせいか、読んでいてヒいてしまうことが多いんですが、本作は「小説」なせいか、一人称で語られていてもどこか冷めた視線が残っています。食餌療法にせよ医者の違いにせよ、ちょっとフィクション化されるだけで生々しさが消えるのは不思議と言えば不思議。そんなわけで、安心して「物語」に没入することができます。
困難に立ち向かう主人公が最初は成功して有頂天になり、そして失意のズンドコに、そして……と、フィクションならではの劇的な、実話だと単なる自慢話になっちゃう展開が嬉しい。お薦めです。

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