僕僕先生

yomimaru2007-01-17

bk1
著:仁木英之 画:三木謙次 新潮社*1

気ままな道楽者生活を送る王弁。父の命令で仙人への貢ぎ物を献上しに行った彼は「姓は僕、名は僕」と名乗る美少女仙人に出会って――ボクっ娘に恋するニート青年の大冒険、第18回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
狼と香辛料(支倉凍砂) *2同様、実年齢は聞かぬが花の美少女がヒロイン。いつでもこっちは受け入れOKなんて態度を見せつつも、自分の本当の姿が爺だとしてもその心は変わらないか、なんて言葉で覚悟の程を確かめようとする姿に、男心を読み取った上で裏では手玉に取っている、したたかな可愛らしさを感じます。
狼〜のロレンスには商人めいたひねくれがありますが、本作の主人公は人付き合いが苦手なタイプなので、好意を持っている相手からでもこれぐらい穏かなアプローチでないと受け入れられないのかも。
海千山千の仙人が俗人に惹かれる理由が、「仙縁」の一言で片付けられている潔さもまたいい。もちろん、金持ちの息子に生まれた彼の《欲のなさ》も理由の一つにあるんでしょうけど。
ホロ系が好きな人はもちろん、天地無用! 魎皇鬼*3の鷲羽が好きな人にお薦め。

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