ステーションの奥の奥

yomimaru2007-01-25

bk1

将来の夢は吸血鬼、と書いた作文のせいでカウンセリングを受けた陽太は、夏休みの自由研究でワナビの叔父 夜之介と改築直前の東京駅の秘密を探るが――小学六年生の冒険と名推理。
陽太が淡い好意を抱いている級友 留美花は、同じ課題の作文で名探偵になりたい、なんて書く本読みで、彼女の姿には《迫害されたミステリ読みの夢》みたいな、ひとなつの経験値(秋口ぎぐる) *2にも共通する甘酸っぱさを感じます。
もっとも、本作は「少年少女」向きにしっかりと足場を作っています。今までに読んだ「かつて子供だったあなた」に重きを置いた本の印象が強かったため、本作の謎解きは驚きでした。露骨な伏線を単なる子供向けの世界観構築と思い込まされた、という感じ。
2500円+税というこの値段からしても、このシリーズは最初から図書館目当てでしょう。心置きなく借りて読んでみてください。

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