ブラバン

yomimaru2007-01-26

bk1
著:津原泰水 画:福山庸司 バジリコ*1

僕を吹奏楽部に引き込んだ皆元が死んだ。彼女の死がきっかけというわけでもなく、25年ぶりに動き始める面々は――齢四十にして高校時代の真実を知る総勢三十四名の大群像劇。
同窓会的な作品のせいか、魔法先生ネギま!(赤松健) *2ドカベン(水島新司) *3的な登場人物の多さ。男女入り乱れる人数比であるところは違いますが。
二十代前半の同窓会は彼我の境遇の差に歯噛みしたりもしたものですが、年を追うごとにそんなことはどうでも良くなりつつある自分に気付いたりします。本作では、人生後半にさしかかった彼らの現在のエピソードが高校時代の思い出と順繰りに語られる構成なんですが、その対比が皮肉でもあり気恥ずかしくもあり。
中高時代のブラバン活動を子供の視点から描く 楽隊のうさぎ(中沢けい) *4の青臭さも好きですが、脂は抜きつつもまだ肉が食べたい年頃の倦怠感を緩く回春してくれる本書もいいです。

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