陰陽ノ京 巻の五
野盗天狗を捉えんと動く保胤の留守を清明宅で待つ男装の麗人 時継。彼女に傅く男装の美少女 貴年は、清明と梨花の息子 吉平の態度が気になって――人と妖の絆を結ぶ平安幻想譚。
外見は仲の良い男の子同士なんですが、実は貴年を嫁に貰うことを彼女の前に宣言する吉平と、ついつい心にもないことを言いつつ実は嬉しい貴年の、嬉し恥ずかしカップルが今巻でも炸裂。貴年をきちんと受け止める吉平の、甘えのない真っ当な少年の姿勢がいいです。
蛇と水と梔子の花(足塚鰯) *2のような酒好きの女性が出てくると嬉しくなってしまう私なんですが、今巻では梨花がその《酒癖》の悪さを果敢に発揮。二児の母である彼女の気張らず自然に鷹揚に楽しく生きる様、見習いたいですね。最後に明かされる吉平の弟吉昌のエピソードもいいです。
お薦め。
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