銀色の恋人

yomimaru2007-05-13

bk1

エキゾチックな容姿とギターの弾き語りで人を楽しませるロボット シルヴァーに一目惚れした金持ちのドラ娘 ジェーンは、彼を手に入れるべく行動を起こすが――かつて夢想された未来社会のラブロマンス。
親に反対されつつの駆け落ちは王道中の王道ですが、ジェーンのシルヴァーに対する苛つきや性格の悪さ、無理解が、母デーメータの娘に対する態度と呼応しているようで、「親の因果が子に報い」を感じます。無理解な社会に反抗する子供が、ロボットに対して無理解な行動に出る身勝手というか。だからこそ、無垢なシルヴァーの魅力が一層引き立つのかもしれません。
ずっと以前に川原由美子の表紙*2で読んだときとは違って、ジェーンの親や社会に対する甘えが妙に気に障るようになって、シルヴァーが気の毒になっちゃう自分、これが歳をとるということなのかも。
二人のカラダの関係は、表現は抑えつつも健康的であけっぴろげで、ギターを持った流れ者 人造人間キカイダー(石ノ森章太郎) *3 *4のジローとミツコのキスシーンのような淫靡な感じがしないのは、洋モノと和モノの差?
今月末に出る二十数年ぶりの続刊 銀色の愛ふたたび(タニス・リー) *5では、人間観/ロボット観がどれだけ変わっているのか見るのが楽しみです。

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