人類は衰退しました
手先は器用で飽きっぽい三頭身の妖精さんが地球の主流派になってはや数世紀、楽な仕事と見込んで人類側の交渉役になったわたしは、彼らに翻弄され――一歩進んで一歩下がる、いつまででも続けられる磯野界ファンタジー。
人類が事実上いなくなった地球で人類の真似をするそれなりに知的な可愛い生き物、と、ねこめ〜わく(竹本泉) *2と同じ趣向の本作。人類の悪いところを見習わないように、彼らに影響を与えないように、と苦心しつつ、ついつい悪い人間の姿を見せてしまって彼らが暴走、というところも一緒。話をいつまでも続けられそうである、というのも共通してます。
もっとも、キャラの立ち位置をちょっと変えただけで、話の展開が大分変わっているような感じです。彼らとの交渉の前線に立つマイヤーと相談役百合子、という配置のねこ〜と、前線に立つ《わたし》と相談役《祖父》、という配置の本作では、ほんかわ恋愛分の量が大分違う印象。
コロボックルシリーズ(佐藤さとる) *3よりもずっと間抜けな妖精さんの暴走と自堕落な《わたし》の一風変わった語り口が楽しい一冊。
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