しゃべれども しゃべれども

yomimaru2007-05-29

bk1
著:佐藤多佳子 画:山本祐司 新潮文庫*1

二ツ目噺家 三つ葉の下に話し方指南を求めて集う4人は従兄弟、美女、小学生に親父。バリエーション豊かな面々が抱える悩みとは――女心にはちょっと疎い、直情径行ストーリー。
秘密戦隊ゴレンジャー*2の登場人物に主人公の若い男を準えて考えると、たとえばThe MANZAI(あさのあつこ) *3の歩は独りでうじうじ悩むミドレンジャー系、涼宮ハルヒシリーズ(谷川流) *4キョンは、ひねた角度から世を見るアオレンジャー系(女の子にもモテるところを見ると、イケメン系でもあるのでしょう)ってことになるかと思いますが、気が短くて気が効かない本作の主人公は、紛うことなきアカレンジャー系。
硬派を気取った不器用な恋の仕方も含め、昨今では絶滅危惧種のような感じがしてたんですが、どっこい生きてる、ということですね。
駄目人間5人が集まって華々しくブチあげるフル・モンティ*5]系ではなく、各人それぞれにそれなりの結末がつくミニストーリーの集合体。噺の内容そのものは本筋には絡まないので、落語に詳しくない方でも、必殺技とかガジェットの名前と思って読めば大丈夫、の一冊です。

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