学園カゲキ！
タレント養成専門校 歌劇学園では、生徒出演先生演出の番組制作から生徒達の学園生活マル秘報告と、スターを目指す面々には気の抜けない毎日だが、何となく入学してしまった拓海が出演する番組は――貧乏ヒロインお涙頂戴のメタドラマ、第1回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作。
冒頭に登場する美少女キャラ 姫先輩はカップ麺の買い食いが趣味、とのこと。鯛焼*2とか餡饅*3とか、好きな食べ物をある種の萌えポイントにするのは常套手段ではあるのですが、芸能人の番組、その舞台裏のNG集、そのまた舞台裏の学校生活……が全部コンテンツになる世界観の下で彼女の食べるシーンを読むと、自分のキャラを立てるために「カップ麺の買い食い」をあえて自分で選んだ、という不思議な感じがします。登場人物が全員演技をしている、というか。
学園の詳細を知らないまま入学して、という展開は、宝塚モノのライジング！(氷室冴子・藤田和子) *4 *5と共通していますが、役者としての天性の才に懸けるのか、それとも、一人の男の子としての心を大切にするのか、が大分違う印象。もっともそれだって、こういう話なら、すべて演技の卓袱台返しがありえるんですが。
本気か演技かわからない日常の中で、きっかけになる事件もないのに、毎日話してるだけで何となく好き合ってしまう二人、というのが妙にリアルでした。
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