スタア
ヒットを3曲出してから早十年、元アイドル 高杉今日子は地味な営業をこなしつつも鳴かず飛ばずの30歳。彼女に舞い込んだヌード写真集の話に――芸能人の赤裸々なリアル・フィクション。
今日子が綴るウェブ日記が章の切れ目に挿入されているんですが、ケータイ写真と一言呟きがメインのブログ日記やミクシィ日記ではなくて、往年のテキストサイト系日記の文章。質・量ともに、テキストサイト時代の気負い的な《重さ》があって、懐しさを感じます。
らき☆すた/らっきー☆ちゃんねる*2の小神あきらが見せるアイドルの本音と建前は、そうであって欲しいと期待させる派手なギャップがありますが、本作の今日子が見せる裏側は、地味というか貧乏臭いというか。今ひとつパっとしない年下の男と同棲してる、ってところなんか特に。
枕営業の話題は全然ないので、「女の武器を使ったからアイツは売れた」なんて言い訳ができない世界設定になっています。だからこそ、人気・実力・運・戦略の差にぐるぐるする思いを抱く今日子の現状が面白い。
彼女がこの仕事を選ぶ理由は意外に古風。お薦め。
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