カマキリ嬢
高梨くんの綺麗な指に食べてしまいたいほどの欲求を感じる私。手相を見てあげようか、と言って彼の手を取ってしまうと もう離せなくなる気がして――せっぱ詰まったフェティシズム掌篇。ミミズクと夜の王*2で電撃文庫からデビューした紅玉いづきの同人誌。コミケット72で入手しましたが、以前に出た本のようです。
女性は男性の指に惹かれるけど、男性が色気を感じるのはまた別の部分、なんて話を良く聞きます。本作では、まさにこの相違を追求。そういえば、ピアニストやバイオリニストのような指先の器用さが求められる職業って、少年向けというよりはBL向けという感じがします。
あとがきでは、この情動について「男の人にはわからないのかもしれない」不安を覚えたエピソードがあるんですが、食と性がいずれも体内への受け入れを意味する女性と、そうではない男性との差があるのかも、なんてことを思いました。
ある種の学園恋愛モノですが、児童書ちっくなファンタジー ミミズク〜よりも本作の方が、個人的には好みかも。男性向け小説とは違った方向に記号化された女性心理に興味がある貴兄にお薦め。
><