ロケットガール 4 魔法使いとランデヴー

軽い体を2ミリの薄さの密着宇宙服で包み、短い時間で小柄な体を生かして低価格でミッションをこなすメイドインジャパンな美少女宇宙飛行士 ロケットガールズ、ゆかり、茜、マツリの今回のお仕事は――前世紀に発表された2篇に表題作の書き下ろしを含む全4篇の短篇集。
ドラマガに収録された短篇+書き下ろしというフォーマットは、富士見ファンタジアの定番なんですが、多くの作品では、短篇はコメディ/ギャグ基調、書き下ろしはシリアス基調でサブキャラを中心に、という形がとられているのに対し、本巻の「魔法使いと〜」は一冊の長篇で出してもおかしくないネタです。
危険をともなう初めてのミッションにトライしようとする飛行士と、リスクを考えて留めようとするスタッフの意見の対立、という構図。このミッションを志すゆかりとマツリの理由が地味で前時代的なところが、物語に恋愛を持ち込まないこのシリーズの身上かもしれません。
茜にとっては単なる迷信に過ぎない精霊に対する崇敬も、マツリにとっては一大事。見方を変えれば、茜だって科学という宗教にハマっているわけで(時折茜が見せる科学至上主義は妙に感情的)、何が自分にとって大事かをきっちり自覚することが重要ってことでしょうか。
男より恋より仕事と友情が大事な彼女たちが気楽に仕事をこなす様子は、ちょっと、てきぱきワーキンラブ(竹本泉) *2を思わせます。次巻は茜メインのストーリーで、非ラブコメで、に期待。

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