ポイポイポイ

医者と父の余命数箇月との話を盗み聞きした寅次は、幼馴染の桜の意に染まぬ野崎との婚約を解消させるため、感情直結男ミイ、自分に言い寄る妙な後輩あかりとともに、この夏の金魚すくいで戦うことになり――救うは女、掬うは金魚のハートフルストーリー。
優等生 桜と劣等生 寅次の二人の恋模様が見処と思いきや、寅次への愛しい思いを一切隠さず鋭く迫るあかりの姿が、『それは舞い散る桜のように』(BasiL) *2で舞人に言い寄る雪村の姿にも似て好感度大。あかりのノリツッコミが気に入りました。
同じ著者の『グリーングリーン ナイショの同級生』*3では主人公のへたれ友人バッチグーの存在が光りますが、本作では、こういう駄目男成分がミイと野崎のみならず、寅次にも分散している感じ。
師匠の教えで開眼するシーンなど、金魚すくい特訓の『少林サッカー*4 的なばかばかしい熱血展開もいい。
とにかく、サブヒロインあかりの切ない恋模様が嬉しい一冊です。

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