神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター

著:大迫純一 画:忍青龍 GA文庫*1

大柄強面金色のタテガミに山吹色のスーツ、派手な見た目が売りの精霊探偵レオンは、暴漢から助けた楽士メイリンの涙にほだされて、妹を探して欲しいとの依頼を受け――モテる男にゃ訳がある、シェアードワールド作からのスピンオフアクション。
『彼女はたぶん魔法を使う』(樋口有介) *2シリーズの38歳の青春探偵 草平もレオンと同じくモテモテなんですが、草平がボヤき型で貧乏臭いのに対して、レオンが妙にゴージャスなのは、直情径行で知的に見せようとしていないからかも。
楽士が神曲を奏でると精霊が働くポリフォニカシリーズの世界観では、楽師と精霊の契約は、見方によっては確かに神聖なんですが、楽士が死んだ後に精霊が陥いる悲惨さを見ていると、この制度には根本的な問題があるように思えてなりません。
ちょっと逆説的ですが、美人楽士との契約を次々と解約するレオンは、人と精霊との《健全》な関係を築くことができているんじゃないか、そんな風にも感じます。
数々の女と別れつつも彼がモテモテなところは、『コブラ』(寺沢武一) *3にも共通します。レオンの顧問弁護士リジェーナ・リン・ニヴァーホルトはアーマロイドレディの立ち位置。次作では、この二人の《信頼関係》がもっと出た展開を希望。

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