暴風ガールズファイト 2

校外合宿が認められるには10人、公式戦出場には12人、聖ヴェリタス女学院 ラクロス同好会がやっと得た次なる部員は、オージー娘に王子娘――熱血根性体育会系グラフィティ。
同好会チーム名も「ロッソ・テンペスタ」と男性形と女性形が混ざっているかのような語感ですが、今巻を彩るヒロインもヅカの男役系 香月を巡る女子校の女の子達の鞘当てで、やはり女と男の狭間。
女子校で、男役として人気を博す彼女の激白は、作家とそのファンの関係にも似ています。一方的な理想の投影が存在する関係は、投影される側に割り切れない気持ちが残って、最終的には親密な関係にはなれない、ということでしょうか。
熱血スポ根モノの見処の一つは、不良とか駄目な奴と思われていたアイツの意外な一面にあるかと思いますが、今巻では、生徒会長の妹 依奈を含め、そこかしこで正体の露呈が。素晴らしい。
恋愛成分一切なし、スポ根一直線の本作は、『メイプル戦記』(川原泉) *2 *3も好きだけど、『16歳のラストスパート』(高橋千鶴) *4 *5や『無敵のビーナス』(池田恵) *6 *7もいいよね、という方にお薦め。

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