修道女エミリー 鉄球姫エミリー第二幕

亡霊騎士の襲撃で家臣を失い、王位継承権を放棄して身を守るために修道女となったエミリーの護衛を勤めんとするグレンは、想像からかけ離れた彼女の姿に――セクハラ重装甲ファンタジー第2弾。
本シリーズは、エミリーが口にする数々の下系の悪口雑言が魅力の一つ。一見するとラゲーネン王国の大うつけですが、実は一本筋が通った彼女を見ていると、青年時代の織田信長*2を思い出してしまいます。エミリーの敵は、グレンの父ノーフォーク公と弟の国王ガスパール。人間関係的には、グレンの立ち位置は柴田勝家に相当する感じ。
修道院にて花嫁修行中の貴族の娘ヘーゼルの、淑女らしからぬ軽くてさばけた口調には、『想いはいつも線香花火』(一色銀河) *3の山梨のような、耳年増系の女の子の魅力が存分に込められていて好み。婚約者との結婚を控えているそうですが、何とかこのまま良きサブキャラとして活躍して欲しいものです。
前巻*4は、前半の下品コメディタッチと後半の流血シリアスタッチの落差を楽しむ感じでしたが、今巻ではこの2つのタッチが糾える縄のごとし。お薦め。

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