藤堂家はカミガカリ

著:高遠豹介 画:油谷秀和 電撃文庫*1

親を亡くした春菜と周慈が二人だけで住む家に強引に住み込んだ神一郎と美琴の目的は、何者かから周慈を守ることだった――子供の好物の定番ハンバーグ ストーリー、第14回電撃小説大賞銀賞受賞作。
設定的には、日本神話基調の神一郎と美琴が外国神話基調の敵と戦う異能モノ、に見える本作ですが、実際のところは、孤独な双子のもとに父親・母親/兄・姉/従兄・従姉がやってきたモノでした。
弱気な周慈に喧嘩を教えるのが美琴、強気な春菜を懐柔するのが炊事洗濯掃除を担当する神一郎で、この役割分担が絶妙です。おさんどん青年を描いているところは超好み。
大根サラダは、余った刺身のツマを水洗い、フィッシュアーモンドをかけて最後にドレッシング、なんてのを作ることがよくありますが、神一郎が作るのは歯応えがありそうな千切りに海苔・鰹節版ですね。
擬似家族モノだけに、ハンバーグを重要な鍵にしているところがミソ。やっぱり家族は揃って食事をしないと!のお薦め。

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